Interview | Vol.5 | 2022.06.08 update

住友商事株式会社 執行役員 兼
住友商事グローバルリサーチ株式会社 代表取締役社長 
住田孝之さん

 

「大事なのは、経営だから。知的資産は、まさに、人間の活動の成果物=知的資産だから。
広い意味での知的資産、知的財産を活用することが大事だという想いがあったんです。」

 

−今日は、是非、住田さんにいろいろとお話を伺わせていただきたいと思っています。首相官邸のウェブサイトにて「経営デザインシート」注1) を拝見させていただいたんですが。企業ブランディングを普段担当していまして、すごくこのシートがとてもわかりやすく、使いやすいと思いました。

住田:「経営デザインシート」があれば、大体の会社がいけます。大企業でも使っているところがありますが、中小企業など三千社ぐらいが使っています。中部経済産業局で、三年半程前にイベントをやったときも、このテーマで実施しました。東海エリアでも、実践している企業もあります。「これまで」と「これから」が描けるかどうかの問題。最近、「デザイン経営」−だから取締役にデザイナーを起用…と伝わっている部分もあって、それもありですが、ちょっと違うなと−。

−私自身も、その伝わり方には違和感がありますね。そもそも、デザイン思考は「洞察力」とかそういう類いのものであり。経営の領域に、デザイナーとか、クリエイターの発想力を活かしていく、というのはありだと思います。そもそも経営は、これからを発想していくイノベーションだけでも違うし、これまでを整理するブランディングだけで語れるものではないですよね。

住田:この手法を使ってくれているのは、中小企業に加えて銀行や信用金庫、信用組合などですね。自分のクライアント企業を整理するのに、シート一枚で作れてしまうし、全部審査できるし、評価もできるし、アドバイスもできる。地銀で重宝しているところもありますよ。

−クリエイティブの思考が強すぎる伝わり方だと一般の企業の方々には正直わかりづらいと思います。ブランディングを担当するクリエイター側も経営を理解する必要があると思います。このシートは、クリエイターが活用するのもいいと思います。そもそも、どういう経緯で作られたんですか?

住田:詳しくは、ウェブサイトのページに記載されていますが−。そもそも、「知財」から来てるんです。日本企業は、いいリソース、いい強みを持っている企業がたくさんあるのに、ある時から、経営が脳死状態になってしまった。ヨーロッパやアメリカの企業会計の基準が入ってきたときに。バブルが崩壊して、欧米から短期で儲けて株主に還元と言われて、短期短期・利益利益となってしまって。特に二〇〇〇年代の始めぐらいに改革で効率性・利益重視で、V字回復したんだけど、違うよなあと思っていて。まずいよなあ、と。
 なんとかして、よいところ、強いところは、ちゃんと追求して、自分で認識をして、それを使っていく。それこそが日本の経営に必要だと思ったんです。そのときに、強み、例えば人、組織文化、チーム力、取引先との関係性といった強みの源泉、自分の会社の何が強みかが、一枚のシートで見えるようにして、こういうところがあるから、将来性があると。
 そういう意味では、知財的なんです。真似できない。技術だったら、特許という権利で抑えられちゃう。企業文化であれば、一朝一夕で、真似できるものではない。それが、一種の知的財産なんだけど、いわゆる知的財産権ではないものもあるので、知的資産というくくりにして、「知的資産経営」という言葉を作ったんですけどね。知的資産をベースにして強みや特徴をいかしていく経営をやっていくのがいいんじゃないですか、と提案しました。

−「知的資産経営」というワードを住田さんが作られた!?

住田:そうです。 − 私自身、ブランディングのことを追求していたときに、この辺りのことを調べたことがありまして。そもそも、企業にとって、技術だけが資産なの?と。知的資産と経営の関係性が気になり、「知的資産経営」について資料を読んだときに、初めて共感できたんです。住田さんが作られたとは知りませんでした 。 住田:私は、知的資産が重要だと思っていて。ちょうど、二〇〇四年に、知的財産政策室長になったんです。知的財産の話は、特許庁に二年半ぐらい出向したことがあるので、かなりよく知っている方ではありますが、知財自体が大事なんじゃない、と当時から強く思っていた。知財が大事って、それだけを切り取って伝えてしまうと、多くの人に知財そのものが大事と誤解を与えてしまう。みなさんが間違えてしまいますからね。
 特許=隠すとか、そう言うことじゃなくて、使っていくのが大事。それで、「知的資産経営」、という言葉で表現して。知財は知的資産の重要な一部ですから。二〇〇五年からずっと、十年以上やってたんですけど、二〇一七年に知的財産戦略事務局長になって、そのときも、同様のことをやりたいな、と。大事なのは、経営だから。まさに、人間の活動の成果物=知的資産だから。広い意味での知的資産、知的財産を活用することが大事だという想いがあったんです。
 ところが、前任者から引き継いだ課題があって、知財の価値評価ということだったんです。また、かなり昔からある議論に戻らなきゃいけない。本来は、知財は不動産みたいに、評価できるものじゃないし、単体では意味がない。同じものであっても、どの企業が持っているか、どう使おうとするかによって、全く変わってくる、全く価値が変わってくるから。これまでにいろいろある評価手法を並べてもあまり意味がないけど、やらなきゃいけない。
 そこで、これまで自分が考え、蓄積してきたことが、本質的な意味で知財の評価に繋がるんじゃないかと考えたんですよね。知的財産を評価するにあたって、経営全体のデザインがどうなっているんですか、未来のビジネスを考えるときに、どの知的財産を使うんですかと、問いを立てながら。その問いによって、初めて、知的財産が価値化するんじゃないか、と。
 経営者にとっては、経営の全体像があって、使えるリソースとしての知財の位置付けがわからないといけない。これが、経営デザインシートの作成に繋がっています。

−企業サイドからしたら、わかりやすく見える化できる。立場が違う人同士でも、共通言語になっていて。これからの価値を創っていくのに、なぜデザイン思考が必要なのかも、ここからわかりますよね。

住田:知財単体だけを評価しても、意味がない。個別の評価を合理的に使うのはアリだけど、単体だと相当価値が低い。生み出す価値に対して、知財の貢献度がどのぐらいあるんですか、と。知財が生み出す価値×貢献度で、知財を評価する、という位置付けになっているんです。

−企業文化、人がいたからこそ生み出せた技術、代々継承される知恵。知的資産と知財が紐づいているからこそ、意味があるんですよね。

住田:そうです、会社の他の知的資産と切り離されて、知財だけあっても意味がない。

−内閣府で出されていた、「価値デザイン社会」の提言。−安宅さんを中心とした外部識者とディスカッションしながら作られていた、とても興味深い提言内容でした。メンバーもすごいですね。

住田:これは、私にとって、ドリームチームなんです(笑)。
 前任者から知財のビジョンをそろそろ作りたいと思ってたんだよね、と言われて。事務局の人たちからも、そろそろビジョンを作りたいと言われて。じゃあ作ろうか、という話をして、それを作るメンバーが必要、委員会が必要となり。自分がとにかく「この人はすごい」みたいな人を基本的に集めた。いや、ほんとうに素晴らしいメンバーで。対話が大事だと思うし、対話によって高めることが大事。共感し合わないと、楽しくない。
 実は、経産省の局長(商務流通保安審議官)をやっていたときに、大阪万博誘致という話になって。クールジャパンとか割と好きだったんで、万博も日本の強みを世界に伝えたい、と。二〇一六年に担当局長として立候補に向けた準備をすることになった。 チャレンジングだったけど、テーマを決めようと。これは、相当大変だったんですが、そこで創ったのが「命輝く未来社会のデザイン」というテーマなんです。
 それぞれの言葉に意味がありまして。「デザイン」なんです、一番大事なのは。デザイン思考が一番大事、未来のことを考えるのには。次に「未来」。今の改善ではなく、バックキャスティング的に、未来を考える。
 「社会」も、非常に重要。ソサエタル・イノベーション=社会全体の変革。社会的活動のためだけの個別のイノベーションではなく、人々の生活も変えちゃう|という視点での社会を意味しています。
 もう一つ、「命」と。当時から嫌いだったのは、「人間中心」のイノベーション。人間が中心だってわかるんだけど、人間が偉そうですよね。大自然の中では、人間はちっぽけな存在に過ぎない。そこに強い抵抗感があった。それで、命と。
 このとき、タイトルだけで、中身が全然決まっていないことが、自分なりに宿題だったから、「価値デザイン社会」のビジョンを作るときに答えを書いちゃおうと。これが、私の一つの答えで。「価値デザイン社会」のビジョンには、生態系のことは書いていないんだけど。バリバリの環境アクティビストだとうまくいかない。無理しても、続かない。無理しなくても、賢く、仕掛けを作らないと。いきなり、もう、〇〇をすぐやめろ|とか、言ってもね。賢くやらないと。
 私が言う生態系とは、地球全体のことですね。地球における人間の数は多い。適正規模は一億、頑張って十億人。現在の七十億は、あまりにもキャパオーバーですよね。その人たちが生活しようとしちゃうと、地球が持たない。その中でも、なんとか地球に迷惑をかけないように、粛々と暮らしていくことが人間に求められる使命。自然の力で弾かれてしまうかもしれないけど。

−ステップとして、人間にまず一旦フォーカスを当てていたのが、内閣府で提言されていた「価値デザイン社会」ですよね?

住田:「価値デザイン社会」は、人間にフォーカスを当てているわけですが。本来は、「価値デザイン社会」の「価値」のなかで、これから長い目で見て、多くの人が共感するのは、地球の持続性だと思います。  だから、「経営デザインシート」における「これから」の価値も、「共感」が大事。では、何が共感されるの?というと、地球、生態系と親和的なことでないとダメなんじゃないか、と。洋服でも、廃プラから作るものじゃないとダメだとか、そこに価値を見出す人が増えてきている。価値デザイン社会の価値は、サステイナビリティであったり生態系保存につながることが価値として、重みを持ち始めた。これは非常に良い、と。そこは、人間の選択なので。その価値が、生態系保存、生態系持続ということに近いことになれば、私のやりたいことは、両立するんですよね。

−つまりは、サステイナブルなことと資本主義がどこまで共存できるかが大事なことですよね?

住田:新しい資本主義がそういうことになったらいいなあ、と思っています。

−たとえば、ステークホルダー資本主義でしょうか。

住田:そうですね。ものを言わないステークホルダーとしての自然が、大事ですよね。国としての知的資産経営−というのが、私自身が考えてきたこと。オリジナルなんですが。

−愛知県でいうと、醸造メーカーの盛田㈱さん、ミツカン(㈱Mizkan Holdings)さん、INAXさんしかり、お話を伺うほどに、「知的資産」へのこだわりがとても強いと感じていて。知的資産を守って維持していくことを企業の使命としていて、儲けだけではやらない方がいい、とそのように皆さんおっしゃられることが、とても印象的で。企業理念が守られている上で、経営が成されていることが多く。「価値デザイン」については、東海エリアの企業さんには、共感されることが多いように思うのですが。東海エリアの資産でもあり。

住田:世の中を変えちゃうぞ、というぐらいクオリティの高いニーズ=発想を生み出すことが大事。シーズ=知財を生み出す方は、日本ではできる人が多い。大事なのは、これからの発想力ですね。例えば、仮想通貨−サイバー上の通貨を生み出していくとか、そういう類のニーズを集めたところから、シーズを昇華させていくことが一番イノベーションですよね。
 この地域に、シーズは、相当あるはず。この技術使えませんかね?というところから入るのではなく、「あなたがユーザーだったとして、この技術に関係しそうな〇〇を考えてもらえますか?」と投げてみること。ニーズとシーズの集約を繋ぎ合わせる仲介者みたいな人や抽象化する人が大事ですね。あそこにいけば、自分が持ち込んだことを大きくしてくれる、そういうプラットフォーム。注2)
 知的生産活動を促していく−これは、AIではなく、人間の役割ですね。人間が大事ではあるんだけど、こういう風にしたい、こういう価値を生みたい、と思ったときの価値|大事なステークホルダーである自然のための価値、人間がそれを価値と思うかが大事。日本人は多くがそこに共感できるだろうし、その点では、世界をリードしていると思いますね。日本人は、当たり前のように、自然を大事にする、という価値観を持っているから。
 シーズを生み出す人たちに、経営デザインの全体像を理解してもらった上で、その技術はすごいですね、それってどんなことに使えますかね? と尋ねる。生活シーンのどういうことに使えますか? 宇宙に? とか、うまく質問をすることができれば、勢いで話してくれる人がいる。そこを盛り立ててあげる。どんな風に使いましょうか、使えますか?と表現を変えて、聞いていく。技術によって、世界を変えるなら、どういうことができますか、と。問いによって、発想力を膨らませていく。  問いをどんどん立てて、変えていく。みんながみんな答えられるわけではないけれども、答えられる人がいれば、イノベーションに繋がっていく。技術者の側が何に使えるか、という未来を考える。これをニーズとつないでいくという流れが大事ですね。

−㈱Fab Cafe Nagoyaにおいて、住田さんが仮説として描かれているサステイナブル・ナレッジ・プラットフォームのような仕組みを、ステークホルダーの方々と全員で、これから実装し、構築していきたいと考えているのですが|例えば、オランダであれば、プラットフォームの構想自体を知財として売りに出す、という動きが出ているんですが、そういう動きについて、どう思いますか?

住田:日本人は、基本的にクリエイティブなんですよね。いくらでも、こういうプラットフォームの図式は描けちゃう。日本だと、こういうことは、なかなか知財化とはならないですよね。日本人は、実は、クリエイティビティの高い生き物なんですよね。

−日本人自体が、全員、異人ということ?

住田:そうです。製造業がこれだけ強くなるとか、そういうことをみても、この自論には、確信がある(笑)。みんな、職人。究極は、パリのフレンチのレストランだよね。星をとってるところには、たいてい日本人のシェフがいる。ただ、仕組みの作り方が下手。いいこと考えたのに、バーっと流しちゃって。ヨーロッパに住んでいたからわかるけど。

−日本人は、職人であり、クリエイティブなんですね。

住田:匠。日本中に、それぞれ、焼き物、織物、色々とある。

−では、仕組みさえできてしまえば、日本のポテンシャルをいかせますよね。

住田:まだまだ、伸び代はたくさんある。まずは、価値創造時代におけるニーズの発想力のある人を掘り起こす。そして、プラットフォームをファシリテートする人が顔になる。あの人がいるから、と集まってくる。これで、仕組みが完成ですよね。ポテンシャルは間違いなく、この東海エリアにはありますからね。

−ひとつの見方だけだと、例えば、車のEV化によって日本中の部品メーカーが何万社も潰れるんじゃないか、と。そういう議論になってしまいがちですが。

住田:そこなんですよね。チャンスだと思う。困った方がいい。困った方がチャンス。今こそ、銀行は、各社の見える化をしておいて、各社の分析をしながら、同時に、未来への飛ばし方は価値創造を生み出す人たちに入ってもらって。銀行だって、ニーズとシーズのマッチングができるよね。
 本当に自分が持っているものがなんなのかを考えてみる。何に使えそうか、を考えてみる。どんな世の中を実現したいかを考えてみる。新しい知財戦略になっていく、そのためのパーツですよね。
 ビジネスモデルを特許にしていく、という道もある。ブランド力で勝負する、ブランド=知財というのも、ある。必ずある。他の人にできないことを、真似されないための、何か。

−知的資産経営の上に、知財を結びつけて、考えていく。ここですね?

住田:知的財産基本法第二条に「「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。」と書いてあります。
 知財は、本来とても広い意味を持つのですが、「人間の創造的活動により生み出されるもの」のうち、特許、意匠・商標という特許庁のの守備範囲が知財と思ってしまう。本来は、とても広い。「人間の創造的活動により生み出されるもの」=ここは、知的資産と言っているに等しいですよね。
 知的財産のなかで、特定のものが権利として認められている。「人間の創造的活動により生み出されるもの」を権利で守りたい人は守ればいい。
 価値創造として、「人間の創造的活動により生み出されるもの」と自然という大きいステークホルダーをどう結びつけて考えていくのか。人間の活動でいいのだけど、「なんのために」−というところが、生態系とのバランスであり、両立のため、というところが大事になってくると思いますね、これからは。

 


注1)首相官邸ウェブサイト上に「経営をデザインするー知財のビジネス価値評価」が記載。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html
注2)二〇一八年に発表された「新しい社会と知財のビジョンー価値デザイン社会を目指して」より
https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/18072001.html


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住友商事株式会社 執行役員 兼 住友商事グローバルリサーチ株式会社 代表取締役社長
住田 孝之
1962年生まれ。1985年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。1993年米国ジョージタウン大学国際政治大学院卒業。経済産業省では、産業政策、FTA等の国際交渉、環境・エネルギー政策、イノベーション戦略などに従事。エコポイントやプレミアムフライデーを立案したほか、大阪万博の「命輝く未来社会のデザイン」というテーマを策定。知財戦略推進事務局長としては、知的財産戦略ビジョンをまとめ「価値デザイン社会」を提言。2019年に住友商事㈱に入社し、2021年4月から現職。無形資産など非財務要素を活用した企業の価値創造に焦点をあて、2007年にグローバルなNPOであるWICI(世界知的資産・資本イニシアティブ)を立ち上げ、現在も会長を務める。

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Copywrite & Text: Atsuko Ogawa(Loftwork Inc.)
Text: Madoka Nomoto(518Lab)
Photograph: Yoshiyuki Mori(Nanakumo Inc.)

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Director: Wataru Murakami(Loftwork Inc.)

Producer: Yumi Sueishi(FabCafe Nagoya Inc.)
Producer: Kazuto Kojima(Loftwork Inc.)
Producer: Tomohiro Yabashi(Loftwork Inc.)
Production: Loftwork Inc.
Agency: OKB Research Institute

 

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